自立と相互依存の関係 2007/09/23 (Sun) 15:15

重さ３．５キロ　「ヘビー級」ハブから１９匹の赤ちゃん2007年09月23日08時40分
こんなニュース記事がありました。

なんでも鹿児島県・奄美大島で見つかった重さ３．５キロの「ヘビー級」ハブから
１９匹の赤ちゃんハブが孵化（ふか）し、仲良くとぐろを巻き合っているらしいのです。 

調べてみると普通は2㍍前後のようですから、3.5㌔といえば体長も、けっこうあったと想われます。
残念ながら母親の蛇は、子供たちの誕生を見ずして死んでしまったようですが・・・卵の数も平均が
4～15個前後のようなので21個産んで19個の卵が孵化したのは、最多記録になるようです。

ハブといえば、よく連想されるのがマングースです。
しかし、いまこのマングースが日本独自の生き物の生態系を脅かしてきているのだと言われています。
海外からハブ退治の救世士のように言われていたマングースたちは、いまや「悪党軍団」呼ばわりです。

彼らマングースたちが、本当に悪いといえるのでしょうか？人間たちの都合で勝手に連れて来られて。
用無しになったら捨てられ。しかし彼らだって生きているんです。生まれ育った土地と違って居心地が
悪いとはいえ。ハブたちとも共生しながら、連れて来られた土地で賢明に生きてきただけなのに・・・

アマミノクロウサギたちにしたって災難です！それまでの長き間、天敵となる生き物が居なかったからこそ
貴重な姿のまま現在まで生き延びてこられたというのに・・・人間の身勝手な考えによって、ドチラの生物
にとっても生態系を、イタズラに狂わされてしまったのですから・・・

	ハブを駆除するために1910年、インドから 輸入された21匹のマングース。 沖縄本島などに持ち込まれた末に放った マングースたちはハブとは共存していき。 天然記念物のアマミノクロウサギの生存 を、脅かしているのが現状となっている。 路傍や耕地はいつの間にかハルジオン などの帰化植物で埋まってしまっている。 外国からきた動植物により日本古来から の在来種たちが脅かされている背景に、 こうした人間による身勝手な行動があり。 それは、今のペットブームの末の無責任さへと繋がってきているのです。
ハブ属図鑑目次　　　　ハブとは　　　　ヘビの特徴　　　　ハブに気をつけよう
ハブとマング―スのショウ　　　　マングース、ハブ退治裏目に
希少種襲うマングース　　　　獣医さんから見たマングース

人間関係に限らず、この地球の生き物は「相互依存」によって成り立っているのだと想います。
食物連鎖にしても相互依存というものが成り立つことによって、得られているのですから・・・

人間だけが特別なわけでは決して無いはずです。自然界の一員として、我々人類も存在できている。
それを決して、忘れてはならないと想います。他の生き物たちの生態系や命を脅かすことなど決して
あってはならないし。許されるものではないと想います。

まぁ、この「相互依存」に関しては個々によって理解や捉え方って微妙に違ったりするでしょうから・・・
難しい部分もあるのかも知れませんが、でも困ったときの神頼みみたいに生き物たちを利用するって
考えではなくて。みんな自立してこそ、相互依存の関係も成り立つんだろうから・・・って気がします。
たとえば、コバンザメにしたって、ただ引っ付いてるってだけじゃないでしょうから・・・ね。

また今回、ハブについて調べてみてビックリしたことがありました。それはハブの血清を作るに当たって、
別の動物の犠牲がそこにはあったのだという事実を知ったからです。

抗毒素つまり血清を作るために、健康な馬に、毒を微量ずつ定期的に注射し、
毒に対して免疫（抗体）ができるまで約半年続けるそうです。その工程は次のような感じです。

馬の体内に充分な抗体が産出されるようになると、その馬の血液を全て取り出します。
その血液の中から有効成分（抗体）を精製し、乾燥させて保存します。有効性と安全性のテストの後、
病院などに配布され治療用に使われます。馬１頭から約 300本の抗毒素がとれます。つまり・・・は、

人間がハブに咬まれた際に使用される血清を作る為に、馬が１頭・・・犠牲になってくれてるんですね。
血液の全部を取り出すってことは、結果的にそうゆうことなんだと想われます。

わたしたちは、知らないところで表立っては知られてない部分で、他の生物の犠牲によって
命を救われ守られていることもあるのだということです。マングースたちのことにしても。クロウサギたちの
ことにしても。「命」という観点から視れば、その優劣は着けられるものではない気がします。もちろん、
希少価値という視点で考えれば、アマミノクロウサギの方が生存してる個体数も少ないのは確かです。

けど、だからといってマングースを駆除すればいいのかって安易に結びつけて解決するのではなくて。
根本的な人間の身勝手かつ傲慢な考え方こそ、改めていかない限り。これはマングースだけの問題で
決して終わらないだろうなぁ～と感じました。

いま、そうした問題は一般家庭でも起きうる話しです。爬虫類などのペットブームで、大きくなったからと
簡単に捨てる人たちが急増している実態！これは第二のマングースを生んでしまうということを、もっと
真剣に考えて欲しいですね。モチロン飼育する人間に、イチバン責任があるけれど。売る側も、そして、
そうした外来種を持ち込んでいる仲買人の人たちにも考えてほしいと想います。可哀想ですよホント。